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高井戸教会だより 23号
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”地上を旅する神の民”
詩編121編1~12節
ヘブライ人への手紙11章1~16節
牧師 内藤 留幸
人間はすべて地上では旅人であると聖書は明確に語っている。私たち信仰者はこの地上に永遠の安住の地がないことを深く自覚しつつ、永遠のみ国をめざして地上を旅する神の民である。信仰者は、神が私たちの人生の旅を守り導いて下さるという、ゆるがぬ事実を知っているのである。
この神の確かな守りと導きという恵みの事実を、聖書のみ言葉にききつつ深く理解し、感謝の思いを新たにしたい。
詩編121編は『目を上げて、わたしは山々を仰ぐ。わたしの助けはどこから来るのか。私の助けは来る、天地を造られた主のもとから』という言葉で始まっている。『山々』とは不動な存在の象徴である。その山々から人生の旅の支えや助けが来るのではなく、山々をも造られた神が人生の旅を支え、助けて下さるというのである。これは、この信仰の詩人の心からの信仰告白である。
この詩には地上を旅する神の民を『見守って下さる』神が厳然として在すことがくり返し語られている。人生の旅の途中で、生きることに疲れて『足がよろめき』その場に倒れそうになる時にも、絶えず見守って下さる神がみ手をもって支え助けて下さるのである。8節には『あなたの出で立つのも帰るのも、主が見守って下さる』と語られている。これは具体的には、巡礼の旅に出発する時から帰ってくる時まで、神が守って下さると語っているのであるが、恵み深い神は私たちの労多い人生の旅をも、初めから終わりまで守り助けて下さり、ついには永遠のみ国へと招きいれて下さるのである。高井戸教会の歴史を担って信仰の生涯を生きぬき、すでにこの世を去って行かれた先達をも神は永遠のみ国へと招き入れて、神の民として主の栄光を賛美する礼拝の群の一員として下さっているのである。
ヘブライ人への手紙11章には確かな信仰をもって生涯を歩みぬいた父祖たちが、地上には永遠の安住の地がないことを自覚し、地上では旅人であることを証ししたと記されている。彼らは神が約束して下さった、永遠の救いの完成を地上では手に入れることができなかったが、それを望み見て喜びつつ、信仰の生涯を終えた。けれども、恵み深き神は、彼らに天にある永遠の都を用意され、彼らの救いの完成をなしとげて下さり、救い主キリストと共に神のみ前に立つことをゆるして下さっているというのである。なんという慰めにみちたみ言葉であろう。
私たちは今、神の民として、信仰をもって地上の旅を続けている。生ける主キリストはいつも共にいて、ある時は、後ろから『目標をめざして、しっかり歩みなさい』と支え励ますように語って下さるし、ある時は前から招くようにして『この世の旅は悩みが多いが、勇気を出しなさい』と声をかけて下さる。私たちはその声に励まされて雄々しく生きた高井戸教会の先達たちの後に続きたいものである。
(召天者記念礼拝説教より)