日本基督教団 高井戸教会

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高井戸教会だより 24号

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説教 「聖なる三位一体の神を信ず」
コリント人への手紙Ⅰ 13章13節

牧師 内藤 留幸

私たちは聖日毎の礼拝において生ける神の言葉を聴き、いきいきと神と交わり、神を讃美、礼拝している。この神を代々のキリスト教会は三位一体の神と呼び、心から礼拝し続けてきた。では、この生ける三位一体の神とはどのような神なのであろうか。日本のような多神教的社会に生きている私たちキリスト者は、聖書が証しする真の神と、日本にみられる異教の神との根本的違いを明確に知っておかねばならない。

日本でいう神とは「上(かみ)」のことで、古来から少しでも優れたものは何でも「かみ」として崇め祀ってきた。たとえば、太陽には人間と比べて優越したものがあると思えたので、天照大神という名をつけて拝んできたし、人間でも、何か優れた点があると、英雄や偉人や先祖も、すぐに神社に祀ってきたというように――。そこではキリスト教でいうような、世界を超えた絶対的存在者としての神を知らないのである。

では、キリスト教会が信じる三位一体の神とはどのような神なのであろうか。日本キリスト教団信仰告白では「主イエス・キリストによりて啓示せられ、聖書において証しせらるる唯一の神は、父・子・聖霊なる、三位一体の神にていましたまふ」と告白されている。ここから明らかなように、まず、真の神は永遠に唯一であられ、並び立つことのできるものは一切存在しないのである。日本では、お正月には神社にお参りし、お盆にはお寺に行き、クリスマスには教会に集うというような多神教的な宗教生活をしたりするが、それでは、たとえどんなに美しい習慣のようであっても、それは神との誠実で人格的交わりを欠くものと言わねばならないのである。

次に、この絶対者である唯一の神は、天上に永遠に静座しておられる方ではなく、人間の歴史の中に人となって来られて実際に活動し、人間の救いをされるのである。聖書はその神の働きを、まず、天地の創造主・全能の父なる神と証しし、次に主イエス・キリストとして罪人を赦し、救う和解者(子なる神)と証しし、最後にすべてのものの救いを完成される救済者(聖霊なる神)として証しし、このようにして唯一の神がその救いのご計画を実現されるというのである。

それ故、教会が信じ告白する三位一体の神とは、異なる三人の神が別々におられるというのではなく、唯一の真の神がすべてのものの救いを完成するに当たって、父(創造主)として上より臨み、子(イエス・キリスト)として共におられ、聖霊として私たちの内におられるという神の遍在の事実を表わす、いわば神の秘儀を示した信仰告白の言葉なのである。生ける聖なる三位一体の神を信ずとの信仰告白は、人間が考え出した神の説明ではなく、主イエス・キリストによりてご自身を啓示された唯一の真の神にささげられた讃美であり、頌栄の言葉なのである。